2013年10月4日金曜日

#3 メモ用紙


        私は 数拾年も前から 枕元にメモ用紙を 置きながら 休むことにしている。









     明日の仕事に差し支えてはいけない 事柄、今日初めて耳にした言葉、 
    眠りながら良いアイディアが ひらめいた時、等々 こまめにメモをすることが習慣に
    なっている。

    40数年前のこと ちまたでは 高度成長期の 真っ只中 

    あらゆる 職種の人達が 忙しい日々を送っていて、
    私も同様にして 分刻みの 忙しさの中        ある 晩のこと

      当時19才だった 家内への プロポーズの言葉。 その日の仕事上がり はだし足袋
   (たび) のまま ハンドルをにぎりながら、 傍らの 彼女に 神妙な面持ちで

       「今日からは自分のメモ用紙になってくれ・・・・・!?」

    と言った。     彼女は軽く頷いてくれた。

   その瞬間から 自分の頭の中の メモ用紙と もう1冊の メモ用紙が出来、 
    幅がひろがり スゴク安心したことを 今でも覚えている。

   自分にとって の メモ用紙とは 単なるメモ用紙ではないのです。

   相手方から 頂いた メモ、 自分から発信したメモの全てを綴り、
  
       一軒の住まいが完成するころには メモ用紙  ~   メモ用誌 、 
   1冊の本のようになるのです。

     しかし ある有名な工業デザイナー が こうも言ってました。

       「通常業務としては まめにメモをとるが、世界にひとつしかない素晴らしいと
   
           思うアイディアがひらめいた時には あえて メモをしない・・・・・」

       「翌朝そのアイディアが鮮明に浮かんでこないような アイディアでは
           良いデザインとはいえないからだ。」    と。。。


                                     棟梁 杉山睦雄
                                      

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